パソコンリサイクル法ってどんな法律? 対象となるパソコンとは?

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すっかり家庭に普及したパソコン。
デスクトップやノートパソコンが何台も家にある、という方も珍しくないでしょう。
でも、パソコンは不要になってもごみ捨て場には捨てられません。
パソコンはパソコンリサイクル法に沿って処分しなくてはならないのです。
そこで、今回はパソコンリサイクル法についてご説明しましょう。
対象となるパソコンはどんなものでしょうか?
また、パソコンを処分する際の注意点もご紹介します。
パソコンの処分方法が分からずに困っているという方は必見ですよ。

目次

  1. パソコンリサイクル法とは?
  2. パソコンリサイクル法の対象となるものは?
  3. こんなパソコンはどうしたらいいの?
  4. パソコンリサイクル法に沿った処分の流れとは?
  5. パソコンを処分する際の注意点とは?
  6. おわりに

1.パソコンリサイクル法とは?

パソコンリサイクル法を簡単に説明すると、「不要になったパソコンは、メーカーが責任を持って回収し、リサイクルしなさい」という法律です。
ですから、現在、メーカーから販売されたパソコンはすべてメーカーが回収しています。
どんなパソコンでも、ごみ捨て場に捨てられません。
また、液晶ディスプレイなどパソコンを構成する部品も捨てられないので注意してください。
ただし、本体カバーはプラスチックごみとして捨てられます。
ごみとして捨てられるのか不明な部品がある場合は、自治体に問い合わせてみましょう。
自分の判断で捨てないように注意してください。

2.パソコンリサイクル法の対象となるものは?

パソコンリサイクル法の対象となるパソコンは、現在のところデスクトップパソコンとノートパソコンです。
普及が進んでいるタブレット型のパソコンはメーカーによって対応が異なります。
PCリサイクルマークがはってあるものや、メーカーのホームページに「タブレットパソコンはノートパソコンとして回収します」と記載してあるものは、対象になるのです。
そのほかのものは、現在のところは普通の家電として捨てられます。

3.こんなパソコンはどうしたらいいの?

現在、2003年以降に製造されたパソコンの中でPCリサイクルマークがはってあるものは、メーカーが無料で回収しています。
では、これ以外のパソコンはどうしたらよいのでしょうか?
この項では、メーカーが無料で回収していないパソコンの処分方法をご紹介します。

3-1.2003年以前に作られたパソコンや、リサイクルマークがはっていないパソコン

2003年以前に作られたパソコンやPCリサイクルマークがはっていないパソコンは、メーカーが有料で回収してくれます。
回収方法はメーカーによって異なるので、ホームページなどを見て確認してください。
また、PCリサイクルマークのシールを自分ではる仕様になっているパソコンは、購入したときにはってしまいましょう。
マークをなくせば回収料がかかります。

3-2.自作のパソコンや、メーカーがなくなったパソコン

メーカーがすでになくなったパソコンや自作のパソコンは、「(財)パソコン3R推進協会」が有料で回収してくれます。
詳しくは協会のホームページをご覧ください。
また、メーカーがなくなっても別のメーカーがパソコンを回収している場合もあります。
そのようなメーカーの一覧も協会のホームページに載っていますので、確認してみましょう。

4.パソコンリサイクル法に沿った処分の流れとは?

この項では、パソコンリサイクル法に沿った処分の流れをご説明します。
時間がかかる場合もありますので、パソコンが不要になったらすぐに行動を開始しましょう。

4-1.メーカーに引き取りを依頼する

パソコンメーカーの多くが、回収依頼専用の電話番号やメールアドレスを持っています。
まずはそこに連絡しましょう。
多くのメーカーが、折り返し宅配伝票を送ってきます。
有料の場合は、メーカーの指示にしたがって料金を払いましょう。

4-2.梱包(こんぽう)

宅配伝票が届いたら、パソコンを梱包(こんぽう)します。
どんな箱でもかまいませんが、中でパソコンが遊んだり、無理やり詰めこまないと入らなかったりするものは避けてください。
パソコンが入っていた箱があるなら、それが一番でしょう。
また、輸送中にパソコンが壊れないように緩衝材(かんしょうざい)をしっかりと入れてください。
不要になったものとはいえ、破損すればリサイクルが不可能になるものもあるのです。

4-3.発送

メーカーが指定した業者でパソコンを発送しましょう。
配送業者によっては、引き取りサービスを行っているところもあります。
「パソコンが大きくて、配送センターまで持っていけない」という場合は利用してみてください。

5.パソコンを処分する際の注意点とは?

では、最後にパソコンを処分する際の注意点をご紹介します。
パソコンは不用意に処分すると、とても危険なのです。

5-1.必ずデータを消去しよう

パソコンは個人情報の宝庫です。
パソコンを処分する際は、必ず内部のデータを消去しましょう。
といっても、パソコン内のごみ箱に捨てるだけではダメです。
パソコンの説明書には、処分する際のデータ消去の方法が書いてあります。
専用のCD-ROMがついている場合もありますし、メーカーのサイトからダウンロードするように指示されていることもあるでしょう。
それに従ってデータを消去してください。
また、指示されている方法データを消去すると、データ復旧はとても困難になります。
必要なデータは必ずバックアップを取ってください。
「個人のパソコンなんて、ろくな情報が入っていない」と思う方もいるかもしれません。
しかし、インターネット通販やインターネットバンキングを利用していた場合は、口座番号やクレジットカードの暗証番号が記録されているのです。
このようなものを盗まれてしまえば、大変なことになります。
また、写真などもネットにばらまかれれば回収できません。
十分に注意しましょう。

5-2.パソコンが壊れていたり、重要なデータが入っていたりする場合は?

パソコンが壊れて立ち上がらないという場合は、HDDを取り出してみましょう。
パソコンのカバーを開ければ、すぐに分かる位置に設置されています。
この中に重要なデータが入っていますので、これを物理的に破壊すれば大丈夫です。
破片が飛び散らないようにビニール袋などにいれ、かなづちなどで何度もたたけば壊れるでしょう。
しかし、「パソコンに詳しくないので、カバーの開け方もわからない」という場合や、「とても重要なデータが入っているのでより安全な方法でデータを消去したい」という場合は、パソコンのデータを消去してくれるサービスを行っている業者に依頼してください。
有料ですが、確実にデータを消去してくれます。
必要ならば、「データを消去しました」という証明書も発行してもらいましょう。

6.おわりに

いかがでしたか?
今回は、パソコンリサイクル法についてご説明しました。
まとめると

  • パソコンリサイクル法により、どの自治体でもパソコンは回収できない。
  • 2003年以降に製造・出荷されたパソコンでPCリサイクルマークがついているものは回収料がかからない。
  • PCリサイクルマークがないパソコンは、どのようなものであれ有料である。
  • PCを回収してもらう際は、必ずデータを消去しよう。

ということです。
パソコンは年々進化します。
家電の中でも最も寿命が短いもののひとつでしょう。
ですから、2~3年で買い替える人も多いとおもいます。
パソコンは古くなるほど処分が難しくなるのです。
特に、ブラウン管型ディススプレイなどは、重くて配送センターに持っていくだけでも一苦労でしょう。
不要になったパソコンは、できるだけ早くパソコンリサイクル法に沿って処分してください。