不法投棄の罰則は?対処法や事例などと共に解説!

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野山や空き地にゴミを不法に捨てるのは「不法投棄」という犯罪です。「不法投棄らしき現場を見つけたが、どうしていいか分からなかった」という経験をした人もいることでしょう。不法投棄は犯罪なので、未遂でも処罰されます。しかし、「不法投棄の通報先などがよく分からない」と悩んでいる人も多いことでしょう。今回は、不法投棄の罰則を不法投棄の発見した場合の対処方法を紹介します。

  1. 不法投棄の定義
  2. 不法投棄の事例
  3. 不法投棄を見つけた場合の対処方法
  4. 不法投棄に関するよくある質問

この記事を読めば、不法投棄の定義も分かるでしょう。不法投棄の現場を見つけた、不法投棄について知りたいという人は、ぜひ読んでみてください。

1.不法投棄の定義

不法投棄とは、「廃棄物を適正に処理せず、みだりに道路や山林、空き地等に捨ててしまう行為」です。たとえば、コンビニで買ったジュースを飲み干して、道ばたに捨てても不法投棄になります。悪質なものになると、不用品回収業者を装って不用品回収を有料で行った後、山林や海、空き地などに不法投棄していく例もあるのです。不法投棄で最も有名な事件と言えば、香川県の「豊島」で長期にわたって行われた産業

廃棄物の不法投棄でしょう。この事件は、25年にわたって産業廃棄物が島に不法投棄されていたものです。なお、不法投棄は犯罪ですので、個人の場合は5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金またはその両方の罰が課せられます。法人の場合は3億円以下の罰金刑です。なお、「捨てようとした」という未遂でもこの罰は適用されます。

2.不法投棄の事例

この項では、不法投棄の具体的な事例をいくつか紹介します。

2-1.悪徳業者による不法投棄

無許可で不用品回収を行い、依頼者から料金を受け取り野山に不法投棄します。産廃業者でも同じことをする例もあり、自治体も対応に頭を痛めているのです。また、法律の抜け穴をつき、処分するべき産業廃棄物の一部だけを不法投棄したり回収から処分まで一気に行うように見せかけて不法投棄したりします。これらの不法投棄を発見するのが難しく、土や水が汚染されてからようやく発覚する事例もあるのです。代表例が、「香川県豊島産業廃棄物不法投棄事件」となっています。

2-2.個人による不法投棄

現在、家電リサイクル法の対象となっている家電(テレビ・エアコン・洗濯機・冷蔵庫)はどの自治体でも回収できません。また、パソコンもメーカー回収が基本です。自治体が回収を行わないゴミを処分するには時間や手間がかかります。ですから、野山に持っていって捨てる、ゴミ収集場所に不法投棄するといった事件が起こるのです。

2-3.素材を偽った不法投棄

現在は法律の改正により、産業廃棄物は処分方法や処分場所が細かく定められています。特に、建築廃材やアスベストを含む廃材、重油、軽油などは処分に手間と費用がかかるため、マニフェストを偽造して費用のかからない方法で処分してしまう悪徳業者もいるのです。また、不正処分されることを分かっていて依頼する業者も同罪になります。

3.不法投棄を見つけた場合の対処方法

この項では、不法投棄を見つけた場合の対処方法を紹介します。

3-1.声はかけなくていい

業者が不法投棄をしている現場を見つけても、無理に声をかける必要はありません。相手がどう喝してきた場合は、トラブルになります。ただし、会社名や車のナンバーは控えておくといいでしょう。可能ならば不法投棄現場を写真に撮ってください。

3-2.自治体に連絡する

不法投棄の現場を見た、不法投棄されたものを見つけた場合は、自治体に連絡してください。自治体の代表番号に連絡すれば、担当箇所を教えてもらえます。この際、自分の住所氏名・不法投棄されているもの・不法投棄されている場所を連絡しましょう。

3-3.私有地に不法投棄された場合は土地所有者が片付ける

私有地に不法投棄された場合は、土地のち主が不法投棄されたものを片付けなければなりません。その上で、不法投棄されないように対処する義務が課せられます。ですから、私有地に不法投棄されているのを見た場合は、声はかけなくてもいいので、会社名やナンバーをメモした後、自治体の担当課だけでなく、警察にも同時に通報してください。不法投棄は犯罪です。また、不法投棄されたものを自分の判断で私有地外に出してはいけません。そうなると、持ち出した人が不法投棄者になります。なお、マンションの共有地(ゴミ収集場所)に不法投棄が合った場合は、管理組合の名前で警察に被害届を出すことが可能です。

4.不法投棄に関するよくある質問

この項では、不法投棄に関するよくある質問を紹介します。

Q.私有地に不法投棄をされた場合、持ち主も罪に問われるんですか?
A.不法投棄を放置していた場合、管理責任を問われることもあります。ですから、広い山野を所有している場合、定期的に見回りなどを行い、不法投棄をしている人を突き止める必要があるのです。

Q.ゴミ収集場所に捨てても不法投棄になることがあるんでしょうか?
A.はい。捨ててはいけないものを捨てれば不法投棄です。

Q.不法投棄かどうかよく分からないものが捨てられました。
A.残土や廃材も不法投棄になります。木材や土が捨てられている場合も、不法投棄です。警察に連絡した後で必要ならば自治体の担当課に連絡してください。

Q.不法投棄は業者に片付けさせることができますか?
A.はい。それは当事者同士の話し合いでできます。また、法律では不法投棄をした人がゴミを撤去しなければならないと定められているので、裁判を起こし、撤去を求めることは可能です。

Q.不法投棄はいつ行われることが多いのでしょうか?
A.夜間、早朝などのときもありますが、人里離れた場所の場合、24時間いつでも捨てられる可能性があります。

まとめ

今回は、不法投棄の定義や罰則、対処方法などを紹介しました。不法投棄は土地の所有者にも迷惑をかけ、汚染による被害は長い間続きます。見て見ぬ振りをしてはいけません。不法投棄されているものを発見したら、まず自治体に通報しましょう。私有地に不法投棄された場合は、警察にも連絡してください。