若者のパソコン離れって本当?その理由とは?

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パソコンが使えない人、というと中高年のイメージがあります。
しかし、今パソコンの使い方が分からない新卒社員が増えているそうです。
また、若者のパソコン離れが進んでいるという調査結果もあります。
それはいったいなぜでしょうか?
そこで、今回は若者のパソコン離れについてご説明します。
パソコンを使わなくなった理由や、それによる弊害は何でしょうか?
来年、新入社員の教育係になるという方や旬の話題に興味がある方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

目次

  1. 若者のパソコン離れとは?
  2. 原因はスマートフォンとタブレットの登場?
  3. パソコンを使わなくなった影響はあるの?
  4. 便利だからこそ、自制も大切

1.若者のパソコン離れとは?

若者のパソコン離れが話題になりだしたのは、2014年の半ばのことです。
株式会社ジャストシステムズが、15歳~69歳の男女1100人に対してインターネットの利用動向を調査しました。
その結果、15歳~19歳の若い世代がPCでインターネットを利用する時間は、2013年度に比べると3分の2に落ち込んでいることが分かったのです。
調査した人数が少々少ないですが、若者ほどPCを使っているというイメージがくつがえったことに、驚いた人は多かったのでしょう。
また、その後も「最近の新入社員はパソコンが使えない」「ブラインドタッチができない」といった、記事が週刊誌などにも掲載されるようになりました。

2.原因はスマートフォンとタブレットの登場?

では、最近の若者はパソコンを使わなくなったのか?といえばそうとも言いきれません。
調査の質問をもう一度見てみてください。
「PCでインターネットを利用する時間」になっています。
つまり、この調査ではインターネットをする以外でパソコンを利用する人は入っていないのです。
ですから、この調査結果だけを見て「若者はパソコンを使わなくなった」と断言することはできません。
しかし、その一方でパソコンを使ってインターネットする若者が少なくなっていることも事実です。
その原因は、スマートフォンとタブレットの普及。
スマートフォンならば、パソコンを使うよりも気軽にそしてどこでもインターネットを使えます。
また、タブレットもパソコンよりも起動が早く持ち運びも便利です。
そもそも、一般家庭にパソコンが普及した理由もインターネットの利用が目的でした。
それ以前のパソコンは、デザインやプログラミングをしたりするマニア向けの家電、というイメージが強かったのです。
ですから、パソコン以外でもっと手軽にインターネットが使える家電が普及すれば、パソコンの利用者が減るのは当たり前かもしれません。
また、今はWordやExcelといった文章作成や表計算のソフトも、スマートフォンやタブレットで利用できます。
つまり、若者がパソコンを使わなくなったのは決してパソコンの機能に魅力を感じなくなったわけではありません。
インターネットや文章作成、表計算など今までパソコンを使わなければできなかったことが、もっと便利なものでできるようになったからです。

3.パソコンを使わなくなった影響はあるの?

では、10代~20代前半の若者がパソコンを使わなくなった影響は何かあるのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介しましょう。

3-1、新卒社員の教育が手間取るようになった

タブレットやスマートフォンが普及しても、ビジネスの場面ではパソコンが使えなければ仕事になりません。
数年前までは、会社に入社する年齢の人はパソコンを使えて当たり前、という風潮がありました。
しかし、最近では「ブラインドタッチどころか、パソコンの使い方そのものが分からない」という新入社員もいるそうです。
今までの「20代ならパソコンが使えて当たり前」という常識が崩れて、教育係が困っている会社も増えています。
新入社員にパソコンの使い方から教えなければならない、となれば会社は大変です。

3-2.自分の欲しい情報しか見ない時代がやってくる

スマートフォンは、パソコンよりもずっと使い勝手がよいです。
ワンクリックで欲しい情報がいつでも手に入るでしょう。
また、いつでもどこでも使えますので、外出中でもスマートフォンの画面を見っぱなしという人も少なくありません。
電車の中でも、今はほとんどの人がスマートフォンの画面を見ています。
一昔前のように、本や新聞に目を通している人は少なくなっているでしょう。
しかし、本や新聞と違ってスマートフォンでは、自分の欲しい情報をピンポイントで検索します。
その結果、欲しい情報は詳しくなるけれどそのほかの情報は何も知らない、という人が増えているのです。
情報を取捨選択する力は必要ですが、興味のない情報を知ろうとしない状態が普通になってしまうと、知識の幅が狭い人になってしまいがちでしょう。

3-3.インターネットデビューが低年齢化する

今は、中学生でもスマートフォンを持っている子が珍しくありません。
そして、スマートフォンに夢中になって、勉強がおろそかになったり生活が不規則になったりする、スマホ依存症も低年齢化しているそうです。
もともと携帯電話の時代から、携帯電話依存症はありました。
しかし、スマートフォンの方ができることが多い分、依存症になりやすいそうです。
スマートフォンが1台あれば、コミュニケーションからゲームまで何でもできます。
また、小さいためベッドの中にこっそり持ちこむのも簡単でしょう。
パソコンでしかインターネットができないのなら、パソコンを使わせないなりプロバイダーを解約するなり、対処ができました。しかし、スマートフォンは携帯電話会社と契約している限り、インターネットが使えます。
ですから、スマートフォンを子どもに与えるときは使用のルールを決めないと、生活のすべてがスマートフォン中心になってしまうかもしれません。

4.便利だからこそ、自制も大切

スマートフォン依存症は、子どもだけでなく大人もなりやすいです。
ふと気が付くと、本も新聞も読まなくなり、スマートフォンでインターネットをして1日が過ぎていたという方もいるのではないでしょうか?
インターネットは便利ですが、それだけを見て1日を過ごすのは、少しもったいないです。
今は、わざとスマホの電源を落として1日インターネットを見ない「スマホ断ち」をする人も増えているとか。
パソコンよりも便利にインターネットを使える家電が出てきたからこそ、自制も大切なのです。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は若者のパソコン離れの理由などについてご説明しました。
まとめると

  • 若者がパソコンでインターネットを使う時間は減っている。
  • スマートフォンやタブレットの普及が原因と考えられる。
  • パソコンを使えないと、仕事に支障が出る。
  • 子どもにスマートフォンを持たす場合は、ルール作りが大切。
  • たまにはスマホを切って過ごしてみよう。

ということです。
パソコンの進化はとても速く、数年後にはスマートフォンよりもっと便利にインターネットが使える家電が出てくるかもしれません。
そのときは、パソコンが完全に役目を終える可能性もあるでしょう。
しかし、若者がパソコンに興味がなくなったから、使用時間が減ったということではありません。
使う人は何時間でも使っています。
ですから、「もうパソコンの時代は終わった」と思うのは間違いです。
むしろ、インターネットを始める年代が低くなっているので、ますますネットリテラシーの教育が大切になってくるでしょう。