ワークステーションを廃棄する前のデータ消去|複数SSD・HDDやRAIDの確認ポイント

「古くなったワークステーションを廃棄したいけれど、普通のパソコンと同じデータ消去で大丈夫?」

「SSDやHDDを何台も搭載していて、どこまで消去すればよいか分からない」

「CADや映像制作に使っていたワークステーションが起動しなくなり、データを消せない」

ワークステーションは、CAD・3DCG・映像編集・設計・解析など、高い処理性能が求められる業務で使用されることが多いパソコンです。

一般的なデスクトップパソコンより拡張性が高く、複数のSSD・HDD、NVMe SSD、RAID構成などを採用している場合があります。

そのため、廃棄時にOSが入っているドライブだけを初期化しても、別の記録媒体にプロジェクトデータや顧客データが残っている可能性があります。

ワークステーションを廃棄するときは、「Windowsを初期化したか」だけではなく、搭載している記録媒体をすべて把握し、それぞれのデータをどう処理するか確認することが重要です。

この記事では、ワークステーションに搭載される主な記録媒体、複数ドライブやRAID構成の注意点、Windowsからの初期化、起動しない場合の対応、パソコン処分本舗へ回収を依頼するときのポイントについて解説します。

  1. ワークステーションも廃棄前にデータ消去が必要?
  2. 処分前に確認したいSSD・HDD
  3. RAID構成のワークステーションで注意すること
  4. ワークステーションのデータを消去する方法
  5. 起動しないワークステーションはどうする?
  6. 法人で複数台を廃棄するときの確認ポイント
  7. パソコン処分本舗でワークステーションを処分する場合

この記事は次のような方におすすめです

  • 不要になったワークステーションを廃棄したい方
  • 複数のHDD・SSDを搭載したPCを処分したい方
  • CAD・映像編集・設計などに使用した業務用PCを処分したい方
  • RAID構成のワークステーションを安全に手放したい方
  • データ消去証明書が必要な法人担当者

1.ワークステーションも廃棄前にデータ消去が必要?

ワークステーションもパソコンの一種であるため、廃棄時の基本的な考え方は一般的なデスクトップPCと同じです。

内部のSSDやHDDに保存された情報を確認し、必要なデータをバックアップしたうえで適切に消去します。

ただし、ワークステーションは業務用途で使用されることが多く、保存されている情報の種類やストレージ構成が複雑な場合があります。

業務データが大量に保存されている場合がある

ワークステーションには、

  • CAD・設計データ
  • 3DCGデータ
  • 動画・音声素材
  • 写真・画像データ
  • 解析データ
  • 顧客から預かったファイル
  • 取引先資料
  • 社内文書

などが保存されていることがあります。

1ファイルあたりの容量が大きいため、OS用とは別に大容量のSSDやHDDを追加しているケースも少なくありません。

Windowsを初期化しても別ドライブにはデータが残ることがある

たとえば、

  • Cドライブ:Windows・アプリケーション
  • Dドライブ:作業中のプロジェクト
  • Eドライブ:完成データや素材

のように複数の記録媒体を使っている場合があります。

Cドライブだけを初期化しても、DドライブやEドライブのデータまで自動的に消去されるとは限りません。

ワークステーションでは、ドライブ名ではなく「実際に何台の記録媒体が搭載されているか」を確認することが大切です。

故障していてもデータが消えているとは限らない

ワークステーションが起動しなくなっても、記録媒体まで故障しているとは限りません。

電源、マザーボード、グラフィックボードなどの故障によって画面が表示されないだけで、SSDやHDDにはデータが残っている場合があります。

「電源が入らないからデータも読めない」と考えず、処分時には記録媒体が残っている前提で対応しましょう。

2.処分前に確認したいSSD・HDD

ワークステーションでは、一般的なPCより多くのストレージを搭載できるモデルがあります。

ケースを開けずにWindows上から確認できる場合もありますが、過去に増設した記録媒体を忘れている可能性もあります。

OS用のM.2 NVMe SSD

近年のワークステーションでは、Windowsやアプリケーション用にM.2 NVMe SSDが使用されることがあります。

M.2 SSDはマザーボード上へ直接装着されるため、3.5インチHDDのようにドライブベイを見ただけでは気付きにくい場合があります。

ケース内部を確認するときは、マザーボード上のM.2スロットも確認しましょう。

作業用のSSD

動画編集や3DCG制作では、OS用SSDとは別に高速な作業用SSDを搭載している場合があります。

キャッシュや一時ファイルだけを保存していたつもりでも、実際にはプロジェクトデータや書き出しファイルが残っていることがあります。

「作業用だから重要な情報はない」と決めつけず、中身を確認してください。

保存用の大容量HDD

完成データや過去の案件を保存するため、数TB以上のHDDを複数搭載しているワークステーションもあります。

長期間使用した端末では、数年前の顧客データやプロジェクトファイルが残っている場合もあります。

処分前に必要なデータをバックアップし、不要になったHDDも消去対象として扱いましょう。

PCIe接続のSSD

高性能なワークステーションでは、PCIeスロットへ拡張カード型のSSDを搭載している場合があります。

一般的なSATAドライブやM.2 SSDとは設置場所が異なるため、過去に増設した構成を確認しておきましょう。

複数台の記録媒体を一覧にする

業務用ワークステーションを処分するときは、

  • 記録媒体の種類
  • 容量
  • 台数
  • 用途

を簡単に一覧化すると処理漏れを防ぎやすくなります。

法人で複数台処分する場合は、端末ごとに記録媒体の本数を記録しておくと管理しやすくなります。

3.RAID構成のワークステーションで注意すること

ワークステーションでは、性能向上や冗長性を目的としてRAIDを構成している場合があります。

RAIDを使用していた場合は、構成していたすべての記録媒体を確認しましょう。

RAIDを解除しただけではデータ消去とは限らない

BIOS・UEFIやRAID管理ソフトからアレイを削除すると、以前のボリュームへアクセスできなくなる場合があります。

しかし、RAID設定を削除することと、各SSD・HDDの記録領域を消去することは別です。

RAID構成を解除しただけで「データ消去が完了した」と判断しないようにしましょう。

RAID1は同じデータが複数台に残る

RAID1では、同じ内容を複数の記録媒体へ保存します。

2台構成の場合、一方だけを消去してももう一方には同じデータが残っている可能性があります。

そのため、ミラーリングに使用していたすべてのSSD・HDDを処理する必要があります。

RAID0・RAID5なども全ドライブを確認する

RAID0やRAID5などでは、複数のドライブへデータや関連情報が分散して保存されます。

「1台だけでは完全なファイルにならないから処理しなくてもよい」と考えるのではなく、RAIDへ参加していたすべての記録媒体を対象にしましょう。

交換済みの故障ドライブも確認する

長期間使用したワークステーションでは、過去にRAIDのHDD・SSDを交換している場合があります。

取り外した故障ドライブを社内の棚などへ保管していないか確認してください。

故障した記録媒体でも、保存されていた情報がすべて読めなくなっているとは限りません。

4.ワークステーションのデータを消去する方法

ワークステーションを処分するときは、端末の状態や保存されていた情報に応じてデータ消去方法を選びます。

方法1.必要なデータをバックアップする

最初に、今後必要になるプロジェクトや設定ファイルを確認します。

特に業務で使用していた場合は、

  • 制作データ
  • 過去案件の納品データ
  • 素材
  • アプリケーション設定
  • ライセンス情報

などを新しいワークステーションや社内ストレージへ移します。

バックアップが完了したことを確認してからデータ消去を始めましょう。

方法2.Windowsのリセットを利用する

Windows 10・11では、「このPCをリセット」からWindowsを初期状態へ戻すことができます。

Microsoftでは、PCを手放す場合に「すべて削除する」を選択し、必要に応じて「データのクリーンアップ」を利用する方法を案内しています【注1】。

「ファイルを保持する」を選択すると個人ファイルが残るため、処分を目的とした初期化では注意してください。

Windowsの初期化だけに頼らない

Microsoftは、「データのクリーンアップ」について、一般消費者向けの機能であり、政府や業界のデータ消去基準を満たすものではないと案内しています【注1】。

ワークステーションには顧客情報、設計データ、未公開製品のデータなどが保存されていることもあります。

業務上重要な情報を扱っていた端末では、会社の情報セキュリティ規程に従った消去方法を選びましょう。

方法3.記録媒体ごとに適切な消去を行う

NISTの「SP 800-88 Rev.2 Guidelines for Media Sanitization」では、記録媒体を再利用・廃棄する際、保存されていた情報の機密性や媒体の種類などに応じて適切なサニタイズ方法を選ぶ考え方が示されています【注2】。

HDDとSSDでは内部構造やデータの管理方法が異なるため、同じ消去方法が常に適しているとは限りません。

特にSSDでは、使用する媒体や機器に対応したサニタイズ方法を確認することが重要です。

方法4.HDD・SSDを取り外す

記録媒体を社外へ出したくない場合は、HDD・SSDを取り外して本体だけ処分する方法があります。

取り外した記録媒体は、

  • 社内で保管する
  • 別のPCへ転用する
  • 社内基準に沿ってデータ消去する
  • 専門業者へ媒体のみ処理を依頼する

といった方法で管理できます。

ただし、M.2 SSDやPCIe SSDなどを見落とさないよう、すべての記録媒体を確認してください。

5.起動しないワークステーションはどうする?

高負荷で長期間使用していたワークステーションでは、電源やマザーボード、GPUなどが故障し、Windowsを起動できなくなることがあります。

起動しなくてもSSD・HDDにはデータが残る

PCの電源が入らない場合でも、SSDやHDDに保存された情報が消えているとは限りません。

記録媒体だけを別の機器へ接続すればデータを読み取れる可能性があります。

故障したことをデータ消去の代わりと考えないようにしましょう。

GPUの故障で画面が表示されない場合もある

ワークステーションでは、高性能なグラフィックボードを搭載していることがあります。

GPUや映像出力部分の故障によって画面が表示されなくても、SSD・HDDは正常な場合があります。

画面が映らないからといって、そのまま未消去で廃棄するのは避けましょう。

安全に取り外せるならストレージだけ残す

デスクトップ型ワークステーションは、一般的なノートPCより内部へアクセスしやすいモデルもあります。

安全に取り外せる場合は、記録媒体を手元へ残して本体だけ処分する方法があります。

ただし、自分で構成を把握できない場合は、無理に分解せずデータ消去に対応した回収先へ依頼しましょう。

6.法人で複数台を廃棄するときの確認ポイント

ワークステーションは企業や事業所で複数台導入されていることもあります。

入れ替えで複数台をまとめて廃棄するときは、PC本体だけでなく記録媒体単位で管理すると処理漏れを防ぎやすくなります。

資産管理番号と照合する

廃棄前に、

  • メーカー
  • 型番
  • 製造番号
  • 社内資産管理番号
  • 使用部署

などを確認します。

社内の資産台帳に登録されている場合は、廃棄する端末と照合しておきましょう。

記録媒体の本数を記録する

同じ型番のワークステーションでも、使用部署によってストレージを増設していることがあります。

たとえば、

  • PC本体:10台
  • M.2 SSD:10台
  • 作業用SSD:8台
  • 保存用HDD:14台

のように、本体台数と記録媒体の本数が一致しないことがあります。

データ消去の対象を確認する際は、記録媒体単位で管理すると分かりやすくなります。

データ消去証明書が必要か確認する

法人では、データを消去した事実を社内記録として残すため、データ消去証明書が必要になることがあります。

顧客情報や機密データを扱っていたワークステーションの場合は、社内規程や取引先との契約で証跡が必要になっていないか確認しましょう。

消去済み・未処理を分けて管理する

複数台を順番に処理すると、どの端末が消去済みなのか分からなくなることがあります。

未処理、消去済み、回収待ちなどの状態を分け、誤って未消去の端末を搬出しないよう管理しましょう。

7.パソコン処分本舗でワークステーションを処分する場合

ワークステーションにはタワー型やデスクトップ型などがあります。

パソコン処分本舗では、デスクトップパソコンをメーカー・年式・動作状態を問わず回収しており、自作PCも対象としています。

デスクトップ型のワークステーションについても、パソコンとして処分を相談できます。

故障したワークステーションも相談できる

電源が入らない、Windowsが起動しない、映像が表示されないといった故障したPCも回収対象です。

古いワークステーションだからといって、修理して起動できる状態に戻してから処分する必要はありません。

HDDを取り外した状態でも回収できる

「業務データが入っているHDDは社内で保管したい」という場合は、記録媒体を取り外した状態でPC本体を処分する方法があります。

パソコン処分本舗では、HDDを取り外したパソコンも回収しています。

自社でデータ管理を完結させたい場合にも利用できます。

記録媒体を搭載した状態ならデータ消去に対応

自分でストレージを取り外したり、データ消去したりすることが難しい場合は、記録媒体を搭載した状態で回収を依頼できます。

パソコン処分本舗では、回収したパソコンについてデータ消去処理を行ってからリユース・リサイクルしています。

詳しい処理内容については、パソコン処分本舗のデータ消去についてをご確認ください。

複数ドライブ構成は事前に把握しておく

ワークステーションでは、通常のPCより多くのSSD・HDDを搭載している場合があります。

「M.2 SSDが1台、HDDが2台」「HDD4台でRAIDを構成している」など、分かる範囲で構成を確認しておくとデータ管理もしやすくなります。

特にSSDやNVMe SSDなどHDD以外の媒体を搭載している場合は、処理方法を事前に確認しておくと安心です。

データ消去証明書を利用できる

業務用ワークステーションでデータ消去の証跡を残したい場合は、有料のデータ消去証明書を利用できます。

証明書には、データ消去作業日、消去方法、HDDの型番やシリアル番号などが記載されます。

複数のHDDを搭載したワークステーションの場合は、PC本体の台数だけでなく、証明書が必要な記録媒体の本数も確認しておきましょう。

複数台なら出張回収も確認する

パソコン処分本舗では宅配回収のほか、条件を満たす場合は関東近県を対象とした出張回収も行っています。

パソコンなど送料無料対象商品が15台以上ある場合は、法人で大量のワークステーションを入れ替える際にも相談できます。

台数が少ない場合は、宅配回収を利用する方法があります。

重量のあるタワー型は発送条件を確認する

高性能なGPU、大型電源、複数のHDDなどを搭載したワークステーションは、一般的なデスクトップPCより重量がある場合があります。

パソコン処分本舗の着払い宅配回収では、ゆうパックの三辺合計160cm以内・25kg以内という条件があります。

重量やサイズを超える場合は元払いでの発送となるため、梱包後のサイズ・重量を確認しておきましょう。

まとめ|ワークステーションは搭載しているすべての記録媒体を確認して廃棄しよう

ワークステーションも一般的なパソコンと同様、処分前のデータ確認が必要です。

ただし、ワークステーションは複数のSSD・HDDを搭載していたり、RAIDを構成していたりすることがあるため、OS用ドライブだけを初期化して終わらせないよう注意してください。

処分前には、次の点を確認しましょう。

  • 必要な業務データをバックアップしたか
  • M.2 SSD・SATA SSD・HDDなどを何台搭載しているか
  • OS用とは別の作業用・保存用ドライブがないか
  • RAIDを構成していないか
  • 交換済みの古いHDD・SSDが残っていないか
  • 故障していても記録媒体にデータが残る可能性を考えたか
  • 社内のデータ消去基準を確認したか
  • データ消去証明書が必要か

ワークステーションの廃棄では、「PCを1台処分する」のではなく、「そのPCで使用していた記録媒体をすべて処理する」という考え方が重要です。

正常に起動するWindows PCであれば、「このPCをリセット」の「すべて削除する」を利用できますが、Microsoftもデータのクリーンアップ機能は一般消費者向けであり、政府・業界のデータ消去基準を満たすものではないと案内しています【注1】。

特に顧客データや設計情報などを扱った業務用ワークステーションでは、保存情報の機密性に応じて適切なデータ消去方法を選びましょう【注2】。

パソコン処分本舗では、古い・故障したデスクトップパソコンや自作PCを回収しており、HDDを取り外した状態でも処分できます。

記録媒体を搭載した状態で回収する場合はデータ消去に対応し、法人などで記録が必要な場合はデータ消去証明書も利用できます。

「SSDやHDDが何台も入っている」「RAIDを組んでいる」「故障して起動できない」「業務用ワークステーションを複数台まとめて処分したい」といった場合は、端末台数や記録媒体の構成を確認したうえでパソコン処分本舗へご相談ください。


参考・出典