法人PCの廃棄にマニフェストは必要?必要になるケースと不要な処分方法を解説

「会社で使っていたパソコンを廃棄するときは、マニフェストが必要?」

「無料のパソコン回収サービスへ渡す場合も、産業廃棄物管理票を用意する?」

「データ消去証明書があればマニフェストの代わりになる?」

法人が使用していたパソコンを処分するとき、「事業で使った物だから必ずマニフェストが必要」と考える方もいれば、「パソコンならリサイクルされるので不要」と考える方もいるでしょう。

実際には、マニフェストが必要かどうかは、法人が使用していたという事実だけでは決まりません。

そのパソコンを産業廃棄物として処理業者へ委託するのか、広域認定制度によるメーカー回収を利用するのか、リユース品などとして引き渡すのかによって扱いが変わります。

環境省では、事業者が産業廃棄物の運搬または処分を他人へ委託する場合、原則として産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付する必要があるとしています【注1】。

一方、環境大臣の広域認定を受けたパソコンメーカー等による回収など、マニフェストが不要となる仕組みもあります【注2】。

法人PCの処分では、「会社のPCだからマニフェストが必要」と一律に判断するのではなく、どの処分ルートを利用するのかを確認することが重要です。

この記事では、法人パソコンの廃棄でマニフェストが必要になるケース、不要になるケース、リユースとの違い、データ消去証明書との違い、パソコン処分本舗へ回収を依頼するときの確認ポイントについて解説します。

  1. 法人PCの廃棄にマニフェストは必要?
  2. マニフェストが必要になるケース
  3. マニフェストが不要になるケース
  4. リユース・買取ならマニフェストは不要?
  5. マニフェストとデータ消去証明書の違い
  6. 法人PCを処分する前に確認したいこと
  7. パソコン処分本舗へ法人PCを依頼する場合

この記事は次のような方におすすめです

  • 会社のパソコンを廃棄する担当者
  • マニフェストが必要か判断できず困っている方
  • オフィス移転やPC入れ替えで複数台を処分する方
  • データ消去証明書とマニフェストの違いを知りたい方
  • 法人PCをリユース・リサイクルへ回したい方

1.法人PCの廃棄にマニフェストは必要?

結論からいうと、法人が使用していたパソコンを処分するとき、必ずマニフェストが必要になるわけではありません。

重要なのは「法人が所有していたか」ではなく、そのパソコンをどのような位置付けで、どのような処理ルートへ渡すかです。

産業廃棄物として処理を委託するなら原則必要

廃棄物処理法では、事業活動に伴って生じた産業廃棄物について、その運搬または処分を他人へ委託する場合、原則として排出事業者がマニフェストを交付することを定めています【注1】。

環境省の引越し廃棄物に関する資料でも、事業所などから排出される使用済みパソコンを産業廃棄物として処理する場合には、マニフェストを交付する考え方が示されています【注3】。

したがって、会社で不要になったPCを産業廃棄物処理業者へ「廃棄物」として処分委託するのであれば、マニフェストとの関係を確認する必要があります。

「法人で使ったPC=必ず産廃処理」という意味ではない

一方で、使用済みパソコンにはリユース可能な機器や部品、金属資源などが含まれます。

処分方法によっては、メーカーによる事業系PCリサイクルや、再使用を前提とした回収など、通常の産業廃棄物処理とは異なるルートを利用する場合があります。

そのため、「会社で使っていたPCだから、とりあえずマニフェストを発行する」と機械的に判断するのではなく、回収先へどのような形で引き渡すのかを確認することが大切です。

2.そもそもマニフェストとは?

マニフェストとは、正式には「産業廃棄物管理票」といい、排出した産業廃棄物が適正に運搬・処分されたことを確認するための仕組みです。

排出事業者が処理の流れを確認するための書類

産業廃棄物を処理業者へ委託した場合でも、排出した事業者の責任がなくなるわけではありません。

マニフェストには、

  • 産業廃棄物の種類
  • 数量
  • 排出事業者
  • 収集運搬業者
  • 処分業者
  • 処分状況

などを記録します。

排出事業者は返送されたマニフェスト等を確認することで、委託した廃棄物が適正に処理されたかを確認します【注1】。

紙マニフェストと電子マニフェストがある

マニフェストには紙で管理する方法と、電子マニフェストを利用する方法があります。

一定の特別管理産業廃棄物を多量に排出する事業場には電子マニフェストの使用義務がありますが、通常の産業廃棄物について一律に電子化が義務付けられているわけではありません【注4】。

自社が利用する処理ルートや社内規程に合わせて管理します。

3.法人PCでマニフェストが必要になるケース

典型的なのは、不要になったPCを産業廃棄物として許可を持つ業者へ処理委託するケースです。

産業廃棄物処理業者へ廃棄を委託する場合

会社が使用済みPCを廃棄物として排出し、その収集運搬・処分を産業廃棄物処理業者へ委託する場合は、原則としてマニフェストの対象になります【注1】。

この場合、マニフェストだけでなく、産業廃棄物処理委託契約についても確認が必要です。

「回収業者へ渡せば終わり」ではなく、排出事業者側も適正処理を確認する責任があります。

オフィス移転で廃PCをまとめて廃棄する場合

オフィス移転では、

  • パソコン
  • モニター
  • プリンター
  • デスク
  • ラック
  • その他の事務機器

などを一度に処分することがあります。

環境省は、事業所の引っ越しで発生した使用済みパソコンなどを産業廃棄物として処理する場合について、排出事業者がマニフェストを交付する流れを示しています【注3】。

大量処分では品目によって処理ルートが異なる場合があるため、「すべて同じ方法で処分する」と考えず、回収業者へ確認しましょう。

「無料回収」でも廃棄物処理なら確認が必要

料金が無料か有料かだけで、マニフェストの要否が決まるわけではありません。

重要なのは取引の実態です。

「無料だから廃棄物ではない」「お金を払ったから必ず産業廃棄物」という単純な判断ではなく、機器の状態や引き渡し方法、回収後の取扱いなどを確認する必要があります。

4.マニフェストが不要になるケース

法人PCの処分でも、法令上の仕組みによってマニフェストが不要となる場合があります。

広域認定制度による事業系PCリサイクル

分かりやすい例が、環境大臣の広域認定を受けたパソコンメーカー等による回収です。

パソコン3R推進協会は、パソコンメーカーの業界団体として環境大臣から産業廃棄物の広域認定を受け、法人などから排出される使用済みパソコンを回収しています【注5】。

この広域認定による事業系PCリサイクルでは、排出事業者によるマニフェストの起票・管理は不要と案内されています【注5】。

また、処理完了後には資産滅却報告書が発行される仕組みもあります【注6】。

広域認定なら何でも対象になるわけではない

広域認定によるメーカー回収には、対象メーカーや対象機器などの条件があります。

パソコン3R推進協会の事業系PC小口回収スキームでも、参加するメーカーの製品が対象となっています【注6】。

自作PCや対象外メーカーの機器などは、別の処分方法を検討する必要があります。

例外ルートを使う場合は根拠を確認する

マニフェストが不要となる制度を利用する場合は、「回収業者に不要と言われたから」という理由だけで済ませず、どの制度・処理方法によって不要なのか確認すると安心です。

特に法人では、社内監査などで処分方法を後から説明できるよう、契約書や回収記録、報告書などを保存しておきましょう。

5.リユース・買取ならマニフェストは不要?

まだ使用できるPCについては、中古パソコンとしてリユースしたり、買取へ出したりする方法があります。

この場合、「廃棄物として処分する」のとは異なる取引になることがあります。

中古品として再利用されるPC

動作可能なPCを中古品として売却し、次の利用者が製品として使用するのであれば、一般的な産業廃棄物処理とは性質が異なります。

このような場合、通常の産業廃棄物処理に用いるマニフェストとは別の管理になります。

ただし、単に「リユース」という名称を付ければ廃棄物ではなくなるわけではありません。

壊れたPCでも部品・資源として利用される場合がある

パソコンには、

  • CPU
  • メモリ
  • 金属
  • 電子基板
  • その他の再利用可能な部品

などが含まれています。

故障したPCでも、部品取りや資源回収を目的として引き取られるケースがあります。

ただし、これも実際の取引内容によって判断が変わるため、「リサイクルされる=必ずマニフェスト不要」とは言い切れません。

法人がPCを外部へ引き渡す場合は、そのサービスが産業廃棄物処理なのか、製品・資源としての回収なのかを事前に確認することが重要です。

6.マニフェストとデータ消去証明書は別の書類

法人PCを処分するときに混同されやすいのが、「マニフェスト」と「データ消去証明書」です。

この2つは目的がまったく異なります。

書類主な目的
産業廃棄物管理票(マニフェスト) 産業廃棄物の運搬・処分の流れを管理し、適正処理を確認する
データ消去証明書 HDDなどの記録媒体についてデータ消去作業を行ったことを記録する

データ消去証明書があってもマニフェストの代わりにはならない

データ消去証明書は、「どの記録媒体へ、どのようなデータ消去を行ったか」を確認するための書類です。

産業廃棄物の運搬・処分を管理するマニフェストとは目的が異なります。

したがって、産業廃棄物としてマニフェストが必要な処理を行っている場合に、データ消去証明書だけを取得してもマニフェストの代わりにはなりません。

マニフェストがあってもデータ消去を証明するものではない

反対に、マニフェストが適切に返送されたからといって、HDDのデータがどのような方法で消去されたかまで証明されるわけではありません。

顧客情報や従業員情報などを保存していたPCでは、必要に応じてデータ消去についても別途確認しましょう。

7.法人PCを処分する前に確認したいこと

マニフェストの要否だけでなく、法人PCの処分では資産管理と情報管理も重要です。

資産台帳と照合する

廃棄するPCについて、

  • メーカー
  • 型番
  • 製造番号
  • 社内資産番号
  • 使用部署

などを確認します。

複数台をまとめて処分する場合は、現物と資産台帳を照合してから搬出すると管理しやすくなります。

データ消去方法を決める

PCをどのルートで処分する場合でも、内部データの扱いを確認します。

自社でデータ消去してから渡すのか、HDD・SSDを取り外すのか、回収先へデータ消去を依頼するのかを決めましょう。

処分後に残す書類を決める

法人では、処分方法に応じて、

  • マニフェスト
  • 資産滅却報告書
  • 買取明細
  • 回収明細
  • データ消去証明書

などを保管する場合があります。

「法人PC廃棄ではこの書類だけあればよい」と一律に考えず、自社の処分ルートと社内規程に応じて必要な記録を確認してください。

8.パソコン処分本舗へ法人PCを依頼する場合

パソコン処分本舗では、個人利用のパソコンだけでなく、会社・事業所で使用していたパソコンも回収しています。

回収したパソコンは、そのまま廃棄物として捨てるのではなく、再利用可能な機器については検品・修理・クリーニングを行って中古パソコンとして再活用し、再利用が難しいものについても部品や金属資源としてリサイクルしています。

法人利用の場合は処理方法を社内規程と照合する

法人PCをパソコン処分本舗へ依頼する場合は、自社の社内規程で、

  • 指定された処分業者を利用する必要があるか
  • 産業廃棄物として処理する必要があるか
  • マニフェストの保存が必要か
  • データ消去証明書が必要か

などを確認してください。

特に、「社内規程で産業廃棄物処理業者への委託とマニフェスト管理を必須としている」といった場合は、そのルールに沿った処分方法を選ぶ必要があります。

回収したPCはデータ消去を実施

パソコン処分本舗では、利用者から希望があるかどうかにかかわらず、回収したパソコンのデータ消去を行っています。

事業で使用したPCに顧客情報や社内情報が残っている場合でも、回収後のデータ処理を依頼できます。

詳しい処理内容は、パソコン処分本舗のデータ消去についてをご確認ください。

データ消去証明書も利用できる

データ消去を行った証跡が必要な場合は、有料のデータ消去証明書を利用できます。

証明書には、消去作業日、消去方法、HDDの型番・シリアル番号などが記載されます。

ただし、先ほど説明したとおり、データ消去証明書は産業廃棄物管理票とは別の書類です。

自社でマニフェストが必要な処分を求めている場合は、データ消去証明書を取得すれば代用できると考えないようにしてください。

HDDを取り外したPCも回収できる

会社のセキュリティ規程で記録媒体を社外へ出せない場合は、HDDを取り外してPC本体だけを処分する方法があります。

パソコン処分本舗では、HDDを取り外した状態のパソコンも回収対象です。

社内でデータ消去・記録媒体の処理を完結させ、本体のみ回収へ出す方法も選べます。

大量のPCもまとめて相談できる

オフィス移転や端末入れ替えなどで大量のPCが発生した場合も相談できます。

パソコンなど無料回収対象品が15台以上ある場合は、関東近県を対象とした出張回収にも対応しています。

台数が少ない場合は、全国から利用できる宅配回収を利用できます。

まとめ|法人PCのマニフェストは処分ルートで必要性が変わる

法人がパソコンを処分するとき、必ずマニフェストが必要になるわけではありません。

基本的には、産業廃棄物として収集運搬・処分を他人へ委託する場合、排出事業者にはマニフェストの交付義務があります【注1】。

一方、環境大臣の広域認定を受けた事業系PCリサイクルの仕組みなど、マニフェストが不要になる処分ルートもあります【注5】。

法人PCを処分するときは、次の点を確認してください。

  • PCを産業廃棄物として処理するのか
  • 広域認定制度などを利用するのか
  • リユース・再利用を前提とした回収なのか
  • 自社規程で処分方法が指定されていないか
  • マニフェストが必要な取引なのか
  • 資産台帳と廃棄端末を照合したか
  • データ消去方法を確認したか
  • データ消去証明書などの証跡が必要か

「法人PCだからマニフェストが必要」「リサイクルだからマニフェスト不要」と一律に判断せず、そのパソコンがどのような位置付けで、どの処理ルートへ渡されるのかを確認することが重要です。

また、マニフェストは産業廃棄物の処理状況を管理するための書類であり、HDDなどのデータ消去を証明する書類ではありません。

情報管理が必要な法人では、処分方法とは別にデータ消去についても確認しましょう。

パソコン処分本舗では、法人で使用していたパソコンも回収し、再利用できる機器はリユース、再利用が難しい機器については部品・資源としてリサイクルしています。

回収したパソコンのデータ消去にも対応し、必要に応じてデータ消去証明書も利用できます。

「会社のPCをまとめて処分したい」「自社の場合にどの回収方法が利用できるか確認したい」「HDDを外して本体だけ回収してほしい」といった場合は、自社の廃棄規程や必要書類を確認したうえでパソコン処分本舗へご相談ください。


参考・出典