ラックマウントサーバーを処分する前にデータ消去は必要?RAID・複数HDDの確認ポイント

「古いラックマウントサーバーを入れ替えるので処分したい」

「RAIDを組んでいたサーバーは、HDDを1台ずつ消去する必要がある?」

「電源が入らないサーバーでも、内部データを残さず処分できる?」

ラックマウントサーバーは、社内システム、ファイル共有、バックアップ、Webサービスなど、業務上のさまざまな用途で使用されます。

そのため、処分するサーバーには顧客情報、社内資料、データベース、バックアップファイル、アカウント情報などが残っている可能性があります。

また、一般的なパソコンとは異なり、複数台のHDDやSSDを搭載してRAIDを構成していることも珍しくありません。

ラックマウントサーバーを処分するときは、「OSを初期化した」「RAIDを解除した」だけで安心せず、搭載されている記録媒体をすべて確認し、それぞれに必要なデータ消去を行うことが重要です。

この記事では、ラックマウントサーバーを処分するときのデータ消去、RAID構成の注意点、HDD・SSDの確認方法、起動できないサーバーの扱い、パソコン処分本舗へ回収を依頼するときのポイントを解説します。

  1. ラックマウントサーバーを処分する前にデータ消去が必要な理由
  2. 処分前に確認したい記録媒体
  3. RAIDサーバーのデータ消去で注意すること
  4. 起動しないラックマウントサーバーはどうする?
  5. パソコン処分本舗でサーバーを処分する場合

この記事は次のような方におすすめです

  • ラックマウントサーバーの入れ替え・廃棄を予定している方
  • RAID構成のHDD・SSDを安全に消去したい方
  • 複数台のサーバーをまとめて処分したい法人担当者
  • 故障して起動しないサーバーを処分したい方
  • データ消去証明書が必要な方

1.ラックマウントサーバーを処分する前にデータ消去が必要な理由

サーバーは、一般的なパソコン以上に大量の業務データを保存していることがあります。

特に長期間運用していたサーバーでは、自社で把握している現行データだけでなく、古いバックアップや一時ファイルが残っている場合があります。

顧客情報・社内情報が保存されていることがある

ラックマウントサーバーには、

  • 顧客データ
  • 従業員情報
  • 契約書や請求書
  • 社内共有ファイル
  • メールデータ
  • データベース
  • Webサイトデータ
  • バックアップ
  • ログファイル

など、重要な情報が保存されている可能性があります。

サーバー本体が古くなったからといって、内部ストレージのデータが自動的に消えるわけではありません。

RAIDを解除してもデータ消去にはならない

複数のHDDやSSDを組み合わせたRAIDを使用しているサーバーでは、「RAID設定を削除したからデータも消えた」と考えないよう注意が必要です。

RAID設定を解除・削除しても、それぞれの記録媒体上に以前のデータが残っている可能性があります。

RAIDコントローラー上で論理ボリュームが見えなくなっても、物理的なHDDやSSD自体が初期化されているとは限りません。

サーバー処分では、論理構成ではなく「何本の記録媒体が搭載されているか」を基準に確認しましょう。

故障していてもストレージは読める可能性がある

電源ユニット、マザーボード、RAIDコントローラーなどが故障してサーバーが起動しなくても、HDDやSSDそのものが壊れているとは限りません。

記録媒体を別の機器へ接続すればデータを読み取れるケースもあります。

そのため、「サーバーが起動しないからデータ漏えいの心配はない」と判断するのは避けましょう。

2.処分前に確認したい記録媒体

ラックマウントサーバーのデータ消去では、搭載されているすべての記録媒体を把握することが大切です。

一般的なパソコンより搭載ドライブ数が多い場合があるため、1台ずつ確認していきます。

3.5インチ・2.5インチHDD

サーバーでは、3.5インチまたは2.5インチのHDDが複数台搭載されていることがあります。

前面のホットスワップベイに並んでいるため確認しやすい一方、どのドライブにどのデータが保存されているかを外見だけで判断することはできません。

RAID構成の場合は、一部のHDDだけを消去しても十分ではありません。

搭載されているドライブをすべて対象として扱います。

SATA SSD・SAS SSD

近年のラックマウントサーバーでは、HDDだけでなくSSDが使われることも増えています。

2.5インチのSATA SSDやSAS SSDなど、外見がHDDと似ている場合もあります。

SSDはHDDと内部構造が異なるため、データ消去方法も媒体の特性を考慮する必要があります。

NVMe SSD

高速なサーバーでは、NVMe SSDが搭載されていることがあります。

前面のドライブベイだけでなく、PCIeカードやマザーボード上のM.2スロットに装着されているケースもあります。

処分前に、前面ドライブだけを確認して「すべて取り外した」と判断しないよう注意しましょう。

M.2 SSD・ブート用ストレージ

OS起動専用として、内部に小容量のM.2 SSDを搭載しているサーバーもあります。

データ用HDDをすべて外していても、ブート用SSDに設定情報、ログ、認証情報などが残っている可能性があります。

サーバーの仕様書や管理記録を確認し、内部ストレージの有無も調べましょう。

SDカード・USBメモリ

サーバーによっては、OS起動、ハイパーバイザー、設定保存などのためにSDカードやUSBメモリを内部へ装着していることがあります。

特に仮想化環境などで使用していたサーバーでは、内部USBポートやSDカードスロットを利用しているケースがあります。

外部から見えない場所にあることもあるため、廃棄前に確認しておきましょう。

バックアップ用メディア

サーバー本体と一緒に、

  • 外付けHDD
  • NAS
  • USBストレージ
  • バックアップテープ

などを使用していた場合は、それらも別の記録媒体です。

サーバー本体だけデータ消去しても、バックアップ媒体に同じ情報が残っていれば処分は完了しません。

3.RAIDサーバーのデータ消去で注意すること

ラックマウントサーバーでは、複数ドライブをRAIDで運用しているケースが多いため、一般的なPCより確認事項が増えます。

RAID0でも各ドライブを確認する

RAID0では、データを複数のドライブへ分散して書き込みます。

1台だけでは完全なファイルを復元しにくい場合でも、記録媒体としてデータの一部が残っています。

そのため「1台だけでは読めないから消去不要」と考えず、すべてのドライブを消去対象とします。

RAID1は同じデータが複数台に存在する

RAID1では、基本的に同じ内容を複数のドライブへ記録します。

2台のHDDでミラーリングしていた場合、一方を消去しても、もう一方には同じデータが残っています。

処分する場合は、ミラーを構成していたすべてのドライブを確認する必要があります。

RAID5・RAID6も全ドライブを対象にする

RAID5やRAID6では、データとパリティ情報を複数のドライブへ分散して保存します。

一部のドライブだけを見ても完全なデータ構造にはなりませんが、処分時には構成していたドライブすべてを対象にデータ消去を行います。

ホットスペア用のHDD・SSDについても、過去にアレイへ組み込まれて使用されていた可能性があるため確認しましょう。

交換済みの故障ドライブも忘れない

サーバー運用中にHDDが故障し、新しいドライブへ交換している場合があります。

このとき取り外した古いHDDを社内で保管したままになっていないか確認してください。

RAIDから外れた故障ドライブにもデータの一部または全部が残っている可能性があります。

サーバー本体だけでなく、交換履歴と保管中の記録媒体も合わせて確認すると安心です。

RAIDコントローラーの設定削除は補助的な作業

RAIDコントローラーの設定を削除したり、仮想ディスクを初期化したりすることは、運用終了時の作業として行うことがあります。

ただし、それだけで物理ドライブの内容が確実に消去されたとは限りません。

廃棄を目的とする場合は、各HDD・SSDそのものに対するデータ消去を考えましょう。

4.ラックマウントサーバーのデータを消去する方法

サーバーを処分する際のデータ消去方法には、論理消去、ストレージの取り外し、物理処理などがあります。

方法1.専用ソフト・装置で論理消去する

再利用するHDDやSSDでは、専用ソフトウェアやデータ消去装置を使ってデータを消去する方法があります。

一般的なファイル削除やクイックフォーマットではなく、記録媒体全体を対象にした消去を行います。

企業で使用していたサーバーの場合は、社内で定めている情報セキュリティ規程に合った消去方式を確認しましょう。

方法2.HDD・SSDを取り外して手元に残す

データ管理上、記録媒体を社外へ出したくない場合は、HDDやSSDを取り外し、サーバー本体だけ処分する方法があります。

ラックマウントサーバーはドライブを取り外しやすい構造のものも多いため、データ管理を自社で完結させたい場合に選びやすい方法です。

取り外したドライブは、自社のルールに従って保管・消去・物理破壊などを行います。

方法3.記録媒体を物理的に処理する

再利用しないHDDなどでは、記録媒体を物理的に破壊し、読み取りを困難にする方法があります。

ただし、自分でドリルやハンマーを使って破壊すると、金属片の飛散やけがにつながることがあります。

また、SSDはHDDとは記録方式が異なり、外装だけを壊してもメモリチップが残っている場合があります。

重要データを含む媒体は、適切な設備を持つ専門業者へ依頼する方法があります。

方法4.専門業者へサーバーごと依頼する

サーバー台数やHDDの本数が多い場合、自社ですべて消去するには時間がかかります。

その場合は、パソコン・サーバーの回収とデータ消去をまとめて依頼する方法があります。

特に法人では、機器の撤去と記録媒体の処理、データ消去証明書の取得まで一連の流れで管理すると、廃棄記録を残しやすくなります。

5.起動しないラックマウントサーバーはどうする?

老朽化したサーバーでは、電源が入らない、RAIDコントローラーにエラーが出る、OSが起動しないといった状態もあります。

このような場合も、データを消去できないまま処分しないよう注意しましょう。

無理に復旧させなくてもストレージは取り外せる

データ消去のためだけに故障したサーバーを修理する必要はありません。

多くのラックマウントサーバーでは、HDD・SSDをドライブベイから取り外せます。

本体が起動しない場合は、記録媒体を取り外して別途消去・管理する方法があります。

ドライブの本数を記録する

複数台のサーバーを廃棄する場合は、

  • サーバーの管理番号
  • メーカー・型番
  • 搭載ドライブ本数
  • HDD・SSDの型番
  • シリアル番号

などを一覧化しておくと管理しやすくなります。

「サーバー本体は10台、記録媒体は合計80本」といったように、機器と媒体を分けて把握することがポイントです。

取り外したHDDを別の場所へ置き忘れない

作業中にHDDだけを取り外した場合、そのまま机や倉庫へ置き、後から処分を忘れることがあります。

データ消去が完了した媒体、未処理の媒体、再利用する媒体を明確に分けて管理しましょう。

6.パソコン処分本舗でラックマウントサーバーを処分する場合

パソコン処分本舗では、パソコンだけでなくサーバー機器の回収にも対応しています。

法人で使用していた機器や複数台の処分についても相談できます。

サーバーも回収対象

パソコン処分本舗では、デスクトップパソコンやノートパソコンのほか、サーバーも回収対象として案内しています。

ラックマウント型についても、サイズや重量、台数などを確認しながら回収方法を検討できます。

1U・2Uなどのサーバーを複数台処分したい場合は、事前に台数や重量を整理して相談するとスムーズです。

HDDを取り外した状態でも回収できる

パソコン処分本舗では、HDDなどの記録媒体を取り外した状態のパソコンも回収しています。

そのため、

  • 社内でHDDを保管する
  • 別の専門業者でデータ消去する
  • 自社設備で物理破壊する

といった運用を行い、ラックマウントサーバー本体だけを回収してもらうこともできます。

記録媒体を付けたままでもデータ消去に対応

自社でHDDやSSDを取り外す作業が難しい場合は、記録媒体を搭載した状態で回収を依頼する方法もあります。

パソコン処分本舗では、回収したパソコン類についてデータ消去を行ったうえでリユース・リサイクルしています。

再利用可能な記録媒体には専用機器による論理消去を行い、資源化する記録媒体については物理的な処理を行っています。

ラックマウントサーバーのように複数のHDD・SSDを搭載している機器については、媒体本数や構成を伝えたうえで対応内容を確認すると安心です。

データ消去証明書も発行できる

企業で使用していたサーバーでは、処分後にデータ消去を行った証明が必要になることがあります。

パソコン処分本舗では、有料でデータ消去証明書の発行に対応しています。

公式案内では、消去した記録媒体について型番やシリアル番号などを記載した証明書を発行しています。

情報セキュリティ監査や社内の資産管理で証跡が必要な場合は、回収前に証明書の要否を確認しましょう。

複数台・大量処分は事前に相談する

ラックマウントサーバーは一般的なパソコンより重量があり、複数台になると宅配便のサイズ・重量条件を超える場合があります。

また、サーバーラック、UPS、ネットワーク機器などを同時に整理するケースもあります。

大量処分の場合は、一台ずつ個別に発送するよりも、台数や機器構成を伝えて回収方法を相談する方が進めやすくなります。

パソコン処分本舗ではパソコン・サーバー類の回収を行っているため、法人でのまとめ処分についても事前にご相談ください。

まとめ|ラックマウントサーバーは搭載している記録媒体をすべて確認して処分しよう

ラックマウントサーバーには、一般的なパソコンより多くのHDD・SSDが搭載されていることがあります。

RAIDを組んでいる場合も、RAID設定を削除しただけでデータ消去が完了するわけではありません。

処分前には、次の点を確認してください。

  • 搭載されているHDD・SSDは何本あるか
  • RAIDを構成していたドライブをすべて確認したか
  • ホットスペアのドライブが残っていないか
  • 交換済みの故障HDDを保管していないか
  • M.2 SSDや内部SDカードなどがないか
  • 外付けバックアップ媒体も処分対象になっていないか
  • データ消去証明書が必要か

ラックマウントサーバーのデータ消去では、「サーバー1台を消去する」というより、「そのサーバーに搭載・関連していた記録媒体をすべて把握して処理する」という考え方が重要です。

特にRAID1やRAID10などでは同じデータが複数のドライブへ保存されているため、1台だけを消去しても十分ではありません。

また、サーバーが故障して起動できなくても、HDD・SSDにデータが残っている可能性があります。

自社でデータを管理したい場合はストレージを取り外して本体だけを処分し、自分で対応するのが難しい場合はデータ消去まで行う回収サービスを利用しましょう。

パソコン処分本舗では、ラックマウントサーバーなどのサーバー機器についても回収を相談できます。

記録媒体を取り外した状態でも回収でき、記録媒体を搭載したままの場合は回収後のデータ消去にも対応しています。

「RAID構成のHDDが複数ある」「故障して起動できない」「複数台のサーバーをまとめて処分したい」「データ消去証明書が必要」といった場合は、搭載ドライブ数や台数を確認したうえでパソコン処分本舗へご相談ください。