法人のパソコン廃棄で証明書は必要?種類・保管する記録・データ消去証明書を解説

「法人でパソコンを廃棄するときは証明書が必要?」「データ消去証明書だけ残せばよい?」「マニフェストも用意しなければならない?」と迷っていませんか?

会社で使用していたパソコンを廃棄するときは、家庭のパソコンを手放す場合よりも、社内の資産管理や情報管理を意識する必要があります。

ただし、「法人がパソコンを廃棄するなら、必ずこの名称の証明書を発行しなければならない」という一種類の書類があるわけではありません。

処分方法によっては資産滅却報告書などが発行されることがあり、データ消去を外部へ任せる場合にはデータ消去証明書を利用する方法もあります。産業廃棄物として処理を委託する場合には、マニフェスト制度との関係も確認が必要です【注1】【注2】。

法人のパソコン廃棄では、「証明書が必要か」だけで考えるのではなく、「パソコンを引き渡した記録」「資産を処分した記録」「データを消去した記録」のうち、何を残したいのかを整理することがポイントです。

この記事では、法人のパソコン廃棄で使われる主な証明書や書類、それぞれの違い、社内で残しておきたい記録、パソコン処分本舗で利用できるデータ消去証明書についてご紹介します。

  1. 法人のパソコン廃棄で証明書は必要?
  2. パソコン廃棄で使われる主な証明書・書類
  3. 法人PCを廃棄するときに残しておきたい記録
  4. パソコン処分本舗で利用できるデータ消去証明書

法人でパソコンを廃棄するときは、特に次の4点を確認しておきましょう。

  • 廃棄記録→どの端末をいつ、どこへ引き渡したか残す
  • 資産管理→資産台帳の情報と処分した端末を照合する
  • データ→消去方法や証明書が必要か確認する
  • 処分方法→利用する回収方法に応じて必要な書類を確認する

証明書だけを集めるのではなく、社内の資産管理と情報管理に必要な記録を残せる形にしておくと、後から確認しやすくなります。

1.法人のパソコン廃棄で証明書は必要?

法人でパソコンを廃棄するとき、「廃棄証明書を必ずもらわなければならない」と考えることがあります。

しかし、必要となる書類は会社のルールや扱っている情報、利用する処分方法によって変わります。

1-1.すべての法人に同じ証明書が必要とは限らない

パソコンを廃棄したことを示す書類には、回収業者が発行する引取関係の書類、処理完了を示す報告書、データ消去証明書などがあります。

これらは目的が異なるため、「廃棄証明書」という言葉だけで依頼すると、必要としている書類と実際に発行される書類が一致しない可能性があります。

たとえば、一般社団法人パソコン3R推進協会の事業系PCリサイクルでは、回収・再資源化処理が完了したあとに、完了報告および廃棄証明となる「資産滅却報告書」を発行すると案内しています【注1】。

一方、データ消去証明書は、パソコンを廃棄したことそのものではなく、HDDなどに記録されたデータについて消去作業を行ったことを確認するための書類です。

つまり、廃棄とデータ消去は別の記録として考える必要があります。

1-2.社内規程や扱う情報に合わせて必要書類を決める

法人でどの記録を残すかは、社内の情報セキュリティ規程や資産管理ルールも確認して決めます。

特に、個人番号を含む特定個人情報を保存していたパソコンでは、削除・廃棄に関する記録の扱いに注意が必要です。

個人情報保護委員会の「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」では、個人番号や特定個人情報ファイルを削除した場合、または電子媒体等を廃棄した場合には、削除・廃棄した記録を保存することが示されています【注3】。

さらに、削除や廃棄を外部へ委託した場合は、委託先が確実に実施したことを証明書等で確認するとされています【注3】。

そのため、まず社内で次のような点を確認してみましょう。

  • 廃棄した端末を記録する社内ルールがあるか
  • データ消去の記録が必要か
  • 証明書の保存期間が定められているか
  • 顧客や取引先との契約で廃棄方法が指定されていないか
  • 特定個人情報などを保存していた端末か

「法人だから何か証明書をもらう」のではなく、自社で何を証明・確認する必要があるのかを先に決めると、必要な書類を選びやすくなります。

2.パソコン廃棄で使われる主な証明書・書類

パソコンを廃棄するときに使われる書類には、いくつか種類があります。

名称は回収方法や事業者によって異なる場合があるため、書類の名前だけでなく「何を証明する書類なのか」を確認しましょう。

書類の例主に確認できる内容確認したい場面
引取に関する書類 機器を回収先へ引き渡したこと 社内で搬出・引渡し記録を残したい場合
処理完了報告書・資産滅却報告書 回収した機器の処理や再資源化が完了したこと 資産を処分した記録を残したい場合
データ消去証明書 データ消去を行った日・方法・対象媒体など 情報管理上、消去実施を確認したい場合
物理破壊写真付き証明書 記録媒体を物理的に破壊したこと 破壊状況を写真でも確認したい場合
産業廃棄物管理票(マニフェスト) 産業廃棄物の処理委託から処理完了までの流れ マニフェストが必要となる処理方法を利用する場合

2-1.引取証明書・処理完了報告書

パソコンを外部へ引き渡した記録を残したい場合は、回収先がどのような書類を発行しているか確認します。

「引取証明書」「受領書」「回収報告書」など、名称は事業者によって異なる場合があります。

さらに、実際の処理まで完了したことを確認したい場合は、処理完了報告書や資産滅却報告書などが利用されるケースがあります。

パソコン3R推進協会では、事業系PCリサイクルの回収・再資源化処理後に、資産滅却報告書を発行しています【注1】。

社内の固定資産や備品管理の証跡として使いたい場合は、発行される書類に何が記載されるのかを事前に確認してください。

2-2.データ消去証明書

データ消去証明書は、パソコン本体を処分したことではなく、HDDなどの記録媒体に対してデータ消去を行ったことを確認するための書類です。

一般的には、消去日、消去方法、記録媒体を特定する型番やシリアル番号などが記載されます。

そのため、資産管理上の「パソコンを処分した記録」と、情報管理上の「データを消去した記録」は分けて考えると整理しやすくなります。

データ消去証明書の内容や申し込み方法については、次の記事で詳しく解説します。

2-3.マニフェストが必要になるケース

マニフェストは、産業廃棄物の処理を委託するときに、排出事業者が廃棄物の処理状況を確認するための制度です。

環境省では、産業廃棄物を他人に委託して処理する場合、マニフェストまたは電子マニフェストを使用して適正な処理を確認する仕組みを示しています【注2】。

ただし、「法人のパソコンを処分するなら、必ずマニフェストが必要」というわけではありません。

たとえば、パソコン3R推進協会は環境省の産業廃棄物広域認定を受けており、同協会の広域認定によるパソコンリサイクルでは産業廃棄物管理票(マニフェスト)は不要と案内しています【注1】。

そのため、マニフェストの必要性は「法人かどうか」だけではなく、どの制度・処理ルートを利用するかまで確認して判断します。

判断が難しい場合は、利用する処理事業者や所在地の自治体などへ確認しておくと安心です。

証明書やマニフェストは同じ目的の書類ではありません。何を確認する書類なのかを分けて考えると、不要な書類まで用意するのを防げます。

3.法人PCを廃棄するときに残しておきたい記録

法人のパソコン廃棄では、証明書を受け取るだけでなく、「どの端末についての書類なのか」が後から分かる状態にしておくことも重要です。

3-1.端末の型番・シリアル・資産管理番号を残す

複数台のパソコンをまとめて処分すると、数か月後に「この端末は本当に処分したのか」と確認が必要になることがあります。

処分前に、端末ごとに次の情報を整理しておくと確認しやすくなります。

  • メーカー名
  • 機種名・型番
  • 製造番号・シリアル番号
  • 社内の資産管理番号
  • 以前の利用部署
  • 以前の利用者
  • HDD・SSDなどの記録媒体の有無

すべての項目を必ず記録しなければならないという意味ではありません。

自社の資産台帳や管理方法に合わせて、後から端末を特定できる情報を残しておきましょう。

3-2.処分日・処分先・データ処理を記録する

端末情報に加えて、実際にどのように処分したかも記録しておくと管理しやすくなります。

項目記録例
処分日 回収先へ引き渡した日
処分先 利用した回収事業者・制度
回収方法 宅配・持ち込み・出張など
データ処理 社内消去・委託消去・物理破壊など
証明書 発行の有無・書類名称

特に、データ消去を自社で実施したPCと、回収先へ消去を任せたPCが混在している場合は、端末ごとに分けて記録しておくと確認しやすくなります。

3-3.証明書と資産台帳を紐づけて保管する

証明書を受け取っても、社内のどの端末についての書類なのか分からなくなっては管理しにくくなります。

資産管理番号やシリアル番号などを使い、資産台帳と証明書を照合できる状態にしておきましょう。

たとえば、次のような流れで整理できます。

  1. 処分予定PCを一覧にする
  2. 資産管理番号やシリアル番号を確認する
  3. データ消去の方法を決める
  4. 回収先へ引き渡す
  5. 必要な証明書・報告書を受け取る
  6. 資産台帳を更新する
  7. 社内ルールに沿って証明書を保管する

まずは処分する端末を一覧にし、「何の記録が必要か」の欄を追加するだけでも、回収前の準備を進めやすくなります。

法人PCの廃棄記録は、証明書単体で考えるより、端末一覧・資産台帳・データ消去記録をつなげて管理すると後から確認しやすくなります。

4.パソコン処分本舗で利用できるデータ消去証明書

会社で使用していたパソコンを処分するとき、「本体の回収だけでなく、データ消去まで任せたい」という場合もあるでしょう。

パソコン処分本舗では、回収したパソコンのHDDに対して専用機器を使ったデータ消去を行っています。

4-1.通常のデータ消去は無料

パソコン処分本舗では、回収したパソコンのデータ消去を無料で行っています。

論理的消去機と物理的破壊機を使い、HDDの状態やその後の取り扱いに応じてデータを処理します。

そのため、「古くて起動できない」「自社でデータ消去作業を行うのが難しい」といったパソコンも、回収とあわせてデータ処理を任せることができます。

通常のデータ消去だけでよく、証明書が不要であれば、証明書発行料金はかかりません。

4-2.必要な場合は有料の証明書を発行できる

社内の情報管理ルールなどでデータ消去の記録が必要な場合は、有料のデータ消去証明書を申し込めます。

証明書には、データ消去を行った作業日、消去方法、HDDの型番、シリアルナンバーなどが記載されます。

現在のデータ消去証明書発行事務手数料は、HDD1台につき3,300円(税込)です。

証明書を希望する場合は、専用の「データ消去証明書発行依頼書」を用意し、対象機器ごとに必要事項を記入します。

機器1台につき依頼書1枚が必要になるため、法人で複数台をまとめて処分する場合は、証明書が必要な端末をあらかじめ分けておくと準備しやすくなります。

4-3.物理破壊写真付きの証明書も選べる

「データ消去だけでなく、HDDを物理的に破壊したことも確認したい」という場合は、HDD物理破壊写真付きデータ消去証明書も利用できます。

現在の発行事務手数料は、HDD1台につき4,400円(税込)です。

通常のデータ消去証明書と物理破壊写真付きのどちらが必要かは、社内規程や扱っていた情報に合わせて判断してください。

データ消去証明書の詳しい申し込み方法や最新料金は、パソコン処分本舗のデータ消去についてをご確認ください。

証明書が必要なPCと通常のデータ消去だけでよいPCを先に分けておくと、法人で複数台をまとめて処分するときも手続きを整理しやすくなります。

まとめ

法人でパソコンを廃棄するときの証明書や記録についてご紹介しました。

「法人のパソコン廃棄では、必ず一種類の廃棄証明書が必要」というわけではありません。

パソコンを引き渡した記録、処理完了や資産滅却を確認する書類、データ消去証明書、マニフェストなどは、それぞれ目的が異なります。

まずは、自社で「何を確認・証明するための記録が必要なのか」を整理しましょう。

処分予定のPCについて、資産管理番号、シリアル番号、処分日、処分先、データ消去方法、証明書の有無を一覧にしておくと、その後の資産台帳更新にもつなげやすくなります。

特定個人情報を記録していた端末では、削除・廃棄の記録保存や、外部委託時に証明書等で確実な削除・廃棄を確認することも求められています【注3】。

パソコン処分本舗では、回収したパソコンの通常のデータ消去を無料で行っています。

社内で消去記録が必要な場合は、HDD1台につき3,300円(税込)のデータ消去証明書、またはHDD1台につき4,400円(税込)の物理破壊写真付きデータ消去証明書を利用できます。

「法人PCをまとめて処分したいが、どの端末に証明書が必要か分からない」という場合は、まず処分予定のPCと社内の情報管理ルールを整理してみてください。

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参考・出典